パパ・ママ育休プラスは、現実的には「メリットがほぼない制度」です。
一見、パパママ育休プラスは、1年間の育休期間が1年2ヵ月間に延長されるように見えます。
果たしてそれは本当なのでしょうか?
- パパママ育休プラスのデメリット
- パパママ育休プラスとは?
- パパママ育休プラスの具体例
- パパママ育休プラス制度を利用した方がいい人
- 給付金はどうなる?
- 専業主婦(主夫)も使えるの?
- 普通の育休との違いは?
- パパママ育休プラスは保育園に入れない
以上について、まとめました。
パパママ育休プラスについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧下さい。

結論「パパママ育休プラス」は使い勝手の悪い制度
パパママ育休プラスは、現実的には「メリットがほぼない制度」です。
・育休開始をズラすだけで、結局「1年間」の取得可能最大日数は変わらない。
・1歳2ヶ月を過ぎ、延長をする場合は片方の親しか育休延長ができない。
・「パパ休暇」を併用しないとメリットが少ない。
パパママ育休プラスのデメリット
- 給付金を支給されたとしても収入が減る
- 会社の就業規則によっては、ボーナスや退職金に影響が出る
- 人事や出世に影響する可能性がある
- 出産後、ママが一番大変な時期に育休が取れない
- 制度の要件が複雑でわかりにくく、使いにくい
パパママ育休プラスとは?
出典|厚生労働省「パパ・ママ育休プラス」
両親ともに育休取得で、期間が延長される制度です。
と、ここまで聞くと、
育休取得期間が1年2ヵ月間に延長できる!
と思いますよね?

私もそうでした…。
実は違うんです!
育休取得期間は1年間で変わらないんです!!
「1人あたりの育休取得可能最大日数(産後休業含め1年間)」は変わりません。
パパママ育休プラスの具体例

通常育児休業の終了日は子供が1歳になる日の前日です。
それが1歳2ヵ月になる日の前日までになるということ。
育休取得期間の期日が延びるということで、取得日数が増えるわけではありません。

上図は一例です。
両親相互に取得したり、色んなケースがあります。
詳しくは厚生労働省や、後述する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)でご確認ください!
パパママ育休プラス制度を利用した方がいい人
- 「パパ休暇」も同時に取得して使う
- 1歳2ヶ月を過ぎて、確実に保育園に入園できる
詳しい理由は後に書いています。
パパママ育休プラス給付金はどうなる?
パパママ育休プラスを取得した場合の育児休業手当金は、通常の育休と同じです。
・休業開始時賃金日額×支給日数の67%
・休業開始時賃金日額×支給日数の50%(6か月経過後)
パパ・ママ育休プラス取得中は、通常の育休と同じで社会保険料が免除されます。

取得条件
- 配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
- 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
- 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること
「1人当たりの育休取得可能最大日数」は変わりません。
パパ・ママ育休プラスは専業主婦(主夫)も使えるの?
どちらかが専業主婦(夫)の場合は、パパママ育休プラスは取得できません。
パパママ育休プラスのメリット
- 産後のママをサポートできる
- 子どものお世話や家族との生活作りに集中することができる
- 子どもにとって親といられる期間が2か月延びる

夫婦で助け合いながら、集中して我が子の成長を見守れる機会につながります!

「主産後、ママが一番大変な時期に育休が取れない」については、制度上「パパが産後3ヶ月以降に育休を取得しなければならない」からです
後述する「パパ休暇」と併用することで、この問題は解消されます!
産後パパ育休と育休を併用
通常1回しか取得できない育休を、もう一度取得できる制度。
産後パパ育休
・生後8週目までに育休を取得する。
・8週目までに育休を終了する。
・8週目以降にもう一度育休が取得できる。
パパママ育休プラスと普通の育休との違いは?
通常の育休 | パパママ育休プラス | |
期間 |
|
|
延長 |
|
|
育休を延長する場合



通常の育休延長より、パパママ育休プラスの延長はややこしいね…。

ママが先に育休を終了してしまうと、再度育休延長をすることはできません。
1歳2ヶ月を過ぎて「確実に保育園に入園できる」場合はいいのですが、そうでない場合は「パパ・ママ育休プラス」は利用せず、通常の育休延長を視野に入れた方がいいかも…。
通常の育休延長なら、1歳の時点で待機児童になった場合、次のように選択肢を多く持てるからです。
- どちらが育休を延長する
- 夫婦二人で育休を延長する
育休延長については「育休延長申請は2週間前だと間に合わない?延長手続きや申請期限は?」をご覧下さい。

パパママ育休プラスの申請方法
会社を通して、申請することになります。
1.世帯全員について記載された住民票の写しなど、支給対象者の配偶者であることを確認できる書類
2.配偶者が育児休業を取得していることが確認できる書類
(2)については、雇用保険被保険者番号がわかる場合は省略できることもあります。
書類は子どもが1歳の誕生日の前日を含む支給対象期間までの支給申請時に、会社がハローワークに提出します。

早めに会社に届け出るようにしましょう!
パパママ育休プラスの注意点
育休期間を延長するときの注意点
- 育児休業期間が2カ月延長されても、産後休業を含めた1人あたりの育休取得可能最大日数は「1年間」に変わらない。
- パパ・ママ育休プラスを選んだ場合、1歳の時点でママは復職するので育休には戻れない。
- 1歳2ヵ月以降の入園になり、ここで待機児童になった場合、パパが育休をさらに延期するという選択肢しかできない。

パパママ育休プラスは保育園に入れない
- パパが2ヵ月育休を延長しているため、保育園の入園はできません。
保育園は、「家庭内で保育できない環境」であることが原則です。
パパママ育休プラスが使える場合を具体例でわかりやすく解説
1.パパとママが交代して育休を取得する
ママの育休が終了する時に、パパがパパママ育休プラスを利用し、子育てを交代できます。
2.パパとママが同時に育休を取得する
パパママ育休プラスを利用して、パパとママが同時に育休を取得することもできます。
3.配偶者が職場復帰した後、期間を空けて取得する
ママが職場復帰した後、しばらくたってからパパが育休を取得することができます。
パパママ育休プラスが使えない場合
- 育休開始日が子どもの1歳の誕生日を過ぎてしまう
- 配偶者の育休開始日が、本人の育休開始日よりも前になっている
1.育休開始日が子どもの1歳の誕生日を過ぎてしまう

2.配偶者の育休開始日が、本人の育休開始日よりも前になっている

他にも使えないケースが、厚生労働省発行の資料(P20~)に具体的に記載されています。
労働局雇用環境・均等部(室)都道府県一覧
「パパ休暇」「パパ・ママ休暇プラス」について詳しくは、各都道府県の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へお問い合わせください。
北海道 | 011-709-2715 |
---|---|
青森 | 017-734-4211 |
岩手 | 019-604-3010 |
宮城 | 022-299-8844 |
秋田 | 018-862-6684 |
山形 | 023-624-8228 |
福島 | 024-536-4609 |
茨城 | 029-277-8295 |
栃木 | 028-633-2795 |
群馬 | 027-896-4739 |
埼玉 | 048-600-6210 |
千葉 | 043-221-2307 |
東京 | 03-3512-1611 |
神奈川 | 045-211-7380 |
新潟 | 025-288-3511 |
富山 | 076-432-2740 |
石川 | 076-265-4429 |
福井 | 0776-22-3947 |
山梨 | 055-225-2851 |
長野 | 026-227-0125 |
岐阜 | 058-245-1550 |
静岡 | 054-252-5310 |
愛知 | 052-219-5509 |
三重 | 059-226-2318 |
滋賀 | 077-523-1190 |
京都 | 075-241-3212 |
大阪 | 06-6941-8940 |
兵庫 | 078-367-0820 |
奈良 | 0742-32-0210 |
和歌山 | 073-488-1170 |
鳥取 | 0857-29-1709 |
島根 | 0852-31-1161 |
岡山 | 086-225-2017 |
広島 | 082-221-9247 |
山口 | 083-995-0390 |
徳島 | 088-652-2718 |
香川 | 087-811-8924 |
愛媛 | 089-935-5222 |
高知 | 088-885-6041 |
福岡 | 092-411-4894 |
佐賀 | 0952-32-7167 |
長崎 | 095-801-0050 |
熊本 | 096-352-3865 |
大分 | 097-532-4025 |
宮崎 | 0985-38-8821 |
鹿児島 | 099-223-8239 |
沖縄 | 098-868-4380 |
わかりやすいパパ・ママ育休プラスのデメリットを図解で徹底解説!|まとめ

1.育休開始をズラすだけで、結局「1年間」の取得可能最大日数は変わらない。
2.1歳2ヶ月を過ぎ、延長をする場合は片方の親しか育休延長ができない。
3.「パパ休暇」を併用しないとメリットが少ない。
パパ・ママ育休プラスはデメリットだらけに見えますが、以下の方は取得するメリットがあります。
- パパ休暇も同時に取得して使う
- 1歳2ヶ月を過ぎて、確実に保育園に入園できる
ご自身の状況に合わせて、ぜひ活用を検討してみてください。
ではでは!
